企業型DCとiDeCoはどっちがお得?両者の違いと選び方の軸について

企業型DC(確定拠出年金)やiDeCo、つみたてNISAなどの制度を活用すれば「老後2,000万円問題」は怖くないことを「「老後2,000万円問題」は怖くない!確定拠出年金の活用で「今」も豊かに過ごそう!」で解説しました。

僕自身、昨年の秋に今の会社へ転籍したことで企業型DCに加入することができるようになりました。

選ぶことができるとなれば、どちらがより良い選択なのか?と悩みますよね。

僕も「本当にどちらが得か?」ということを考えました。

というわけで今回の記事では、企業型DCとiDeCoの違いを踏まえつつ、僕が企業型DCを使うことにした理由を説明していきます。

目次

企業型DCとiDeCoの違いとは

企業型DC(企業型確定拠出年金)とiDeCo(個人型確定拠出年金)はそもそも、よく似ています。

ですが根本的な違いとして、企業型DCは企業が従業員のために用意している福利厚生制度であるのに対し、iDeCoは加入者自身が証券会社にiDeCo口座を開設することで加入するという違いがあります。

その上で、企業型DCとiDeCoの主な違いは、以下の3点と捉えています。

企業型DCとiDeCoの主な違い
  • 手数料負担
  • 選択可能な運用商品
  • 拠出限度額

以下、順に説明していきます。

企業型DCとiDeCoの違い①手数料負担

企業型DCでは口座管理や拠出に関する手数料を勤め先の会社が負担することになります。

一方でiDeCoでは口座管理・運営に関する手数料は個人負担となります。

確定拠出年金に関する手数料は下記のようなものがあります。

確定拠出年金の手数料
  • 加入時手数料
  • 事務手数料
  • 資産管理手数料
  • 運営管理機関手数料

企業型DCではこれら手数料の本人負担がありません。

ただし運用商品に投資信託を選択した場合の信託報酬等については加入者本人の負担となります。

企業型DCとiDeCoの違い②選択可能な運用商品

企業型DCは運営管理機関を会社が選定し、選べる運用商品は運営管理機関次第です。

そのため、企業型DC制度が勤め先に整っていたとしても自分が選びたい運用商品が選べないことがあります。

確定拠出年金は原則60歳まで引き出すことができないため長期の運用を想定、かつ運用益が非課税というメリットを最大限活用したいため、以下のような条件の商品が好ましいです。

確定拠出年金で選択したい商品の特徴
  • 幅広く分散された株式インデックス・ファンド
  • 信託報酬等の経費率ができるだけ低いもの(目安は経費率0.3%以下)

しかし実際には会社によって上記のような低コストのインデックス・ファンドが選べない会社があると聞きます。

そういう方は、iDeCoで自分が運用したい商品をラインナップしている会社に口座を開設するのが良いと思います。

本腰を入れて検討する前に、総務や人事の担当者に運用商品のメニューリストを見せてもらって、そもそも自社の企業型DCで好ましい運用資産を選ぶことができるのか確認した方がいいです。

iDeCoでは運用機関選択から自由なので、自分が投資したい商品をラインナップしている証券会社を選択することが可能で、これは企業型DCに対する明確なメリットです。

SBI証券や楽天証券は手数料が安く、低コストの全世界株式インデックス・ファンドを運用商品として選択できます。

企業型DCとiDeCoの違い③拠出限度額

企業型DCとiDeCoでは拠出限度額が異なります。

またiDeCoの場合、個人事業主か勤め人かによって限度額が変わってきます。

企業型DCの拠出限度額
  • 勤め先が企業型DCのみ採用の場合・・・月額55,000円(年額660,000円)
  • 確定給付年金(DB)を併用の場合・・・月額27,500円(年額330,000円)

僕の勤め先はDB併用のため、限度額は月額27,5000円(年額330,000円)が該当します。

次にiDeCoの限度額は以下の通り。

iDeCoの拠出限度額
  • 自営業者等の場合・・・月額68,000円(年額816,000円)
  • 企業型DCのない会社の会社員・・・月額23,000円(年額276,000円)
  • 企業型DCに加入している会社員・・・月額20,000円(年額240,000円)
  • DB加入者・公務員・・・月額12,000円(年額144,000円)
  • 専業主婦等・・・月額23,000円(年額276,000円)

iDeCoの拠出限度額をざっと見たところ、企業型DCに比べて全体的に低いのが気になります。

また、企業型DCを使わずにiDeCoのみを行う場合、月額12,000円(年額144,000円)と限度額が一段と低くなるのが気になります。

上から3番目に「企業型DCに加入している会社員」があるため、余裕があれば勤め先の企業型DCにフルで加入しつつiDeCoもフルで積み立てるのが税務メリットの恩恵を享受できそうです。

しかし企業型DCとiDeCoを併用するためには、勤め先の確定拠出年金規約がiDeCoとの併用を認めている必要があります。

僕の勤め先では残念ながら併用は認められていないため、併用することはできないようです。

企業型DCを選んだ理由

色々と下調べをした結果、僕は企業型DCを選択しました。

理由は、拠出限度額に尽きます。

確定拠出年金は拠出金が非課税になり社会保険料の標準報酬月額からも除かれるため、余裕のある範囲でできるだけ多くの金額を拠出するのが理に適っています。

つまり税務メリットと社会保険料負担額を考えた場合に、iDeCoよりも企業型DCがお得、と考えました。

また、運用商品も幸い低コストの株式インデックス・ファンドを選択することが可能でした。

まとめ:毎月いくら拠出するかを選択の軸にすればいい

企業型DCとiDeCoの違いを挙げながら、僕が企業型DCを選択した理由でした。

結局、勤め先の企業型DCに毎月上限満額を拠出し、運用資産は世界分散の株式100%という設定にしています。

ただしこれはあくまで僕個人のケースにおける選択なので、以下のようなケースでは結論が違ってくると思います。

結論が異なってくるケース
  • 勤め先の確定拠出年金規約がiDeCoとの併用を認めている場合
  • 企業型DCの運用商品にぼったくりファンドしかない場合
  • 毎月の拠出額がiDeCoの限度額でも十分な場合

つまり、企業型DCにするかiDeCoにするかは毎月の拠出額を判断の軸とすればいいということです。

企業型DCほどの枠は必要なくiDeCoの枠で十分なら、運用商品の選択肢が広く良質な商品を選び易いiDeCoがオススメです。

また、企業型DCでもiDeCoでも、どの商品で運用するかは非常に大事だなと感じました。

非常に高い手数料のアクティブファンドも普通に紛れ込んでいますし、債券ファンドやバランス型もあります。

高い手数料は投資パフォーマンスを確実に下げる上、市場平均に勝てるアクティブファンドを事前に知ることはほぼ不可能です。

また債券はインフレ耐性が無いので長期の運用を前提とする確定拠出年金の運用資産に組み入れるのは適切とは言えないでしょう。

同じ理由からバランス型も不要と考えます。

運用商品の選択基準は確定拠出年金だろうとなんだろうと変わらないということですね。

それでは、また。

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